2016.04.01 痛みと薬

  • 胃痛の会社員4月から新年度です! 職場で移動があったり、新入社員や新入生がきて会社や学校も新しい気持ちでスタートします。
    しかし環境が変わるということは、緊張も強いられて生活することになります。緊張しすぎて胃がキリキリ痛みだす、という人もこの時期けっこう多いのではないのでしょうか。

    どんな人でも“痛み”を体験したことがあるはずです。
    『疼痛』とは医学用語で「痛み」全般をさす言葉ですが、国際疼痛学会の定義によると、『実際または潜在的な組織損傷にともなって起こるか、またはそのような言葉で表現される不快な感覚的、情動的体験』だそうです。

    「痛み」って実は私たちが考えているより複雑なものなのかも・・・!?
    いったい“痛み”はどこからやってくるのか、どうして“痛み”を感じるのか、あらためてこの機会に確認してみませんか。

  • 「痛み」は危険を知らせるサイン
    ひざ擦りむいた
     
    私たちは「痛み」を感じると、身体に何らかの異常や異変が起きていることに気づきます。もしも「痛み」を感じなかったら、ケガをしても気づかずに化膿してしまったり、熱いものに触れても何も感じずひどいやけどを負ってしまうなど、危険な事態を招くことになります。
    「痛み」は私たちの身体に起こった危険を知らせ、回避させて命を守る大切な役割があるのです。

    その一方で必要以上に長く続く痛みや、原因がわからない痛み、我慢できないほどの激しい痛みは苦痛を伴い、精神的にも追い詰められ、不眠やうつ病など他の病気を引き起こすきっかけにもなります。
    そのような場合は、適切な治療を受けて痛みを取り除く必要があります。

  • 「痛み」を分類してみよう「痛み」分類図
  • 「痛み」を止める
     
     
    *麻酔薬
    歯が痛いいきなり「麻酔薬」といわれても、痛みを取り除く方法としてはあまり身近なものではありません。
    でも多くの人は麻酔を経験したことがあると思います。歯医者さんで治療前におこなう、部分的に麻酔をかける方法です。これを局所麻酔といい、薬を患部に注射することで、歯だけではなくあごやほおなど、周囲がしびれて感覚がなくなります。ものが触れても分かりませんし、熱さや冷たさも感じなくなってしまいます。
    感覚を伝える神経そのものが麻酔されるからです。

    *鎮痛薬
    私たちが痛みを止める方法として一番身近なのが、この「鎮痛薬」です。湿布などの貼り薬に入っていたり、軟膏になっていたり、経口薬として錠剤やカプセルになっていることもあります。

    肩こりや頭痛などの痛みは、炎症によって痛みの神経が過敏になって起こります。鎮痛薬は神経自体は抑制せず、過敏状態を引き起こす炎症物質を作らせないように働きかけます。

    種類としてはおもに、解熱鎮痛薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬があります。

    ・解熱鎮痛薬

    主成分『アセトアミノフェン』、胃などへの副作用が少なく、小児への解熱鎮痛薬として使用される。薬
    単体では効果が弱いため、カフェインとエテンザミドを加えて効果を高めた「ACE処方」で用いられることが多い。
    抗炎症作用はほとんどない。

    ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
    主成分『イブプロフェン』、『ロキソプロフェン)』、『インドメタシン』、『ジクロフェナク』など。
    皮膚疾患の薬剤(軟膏・湿布)の主成分としても用いられている。皮膚に浸透しやすい性質の成分を、比較的高い濃度で浸透させることができるので効果的に作用する。